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10/6 3時ごろ下さった方に捧げるSSS。(ショボイ・ショート・ストーリー)
お礼の意味も込めつつ、激しく萌えたので書いてみました。
半小太です★
読んでくださる方は続きからどうぞ★
「人の子、風の子」
口に寝間着の裾を押し付けながら、短く三度咳き込んだ。
斯うする度に、風魔は顔を顰めて、ひらひらと手で宙を扇ぐ。
嫌ならば出て行けば良いのに。
己も内心苛立ちながら、再び一度、咳き込んだ。
「うぬは其れでも忍の頭領か。」
風魔は呆れて、固く絞った手拭を乱暴に額に押し付けた。
「頭領だろうと人の子だ。風邪ぐらい」
言葉の途中で、ごほりと咳き込んだ。
風魔は己を見下ろしながら、黙っておれ、と口を押さえつける。
無理して喋るなと言う事だと思ったが、咳をするなと言う事だと思い直して、寂しくなった。
病の時は、なにやらつまらぬ事で、気が沈みがちになるものだ。
「染ってはいかん。出て行け。」
ならばせめて此方が、と、らしくもなく思いやってみる。
「我はうぬの様に怠けてはおらぬから、風邪など貰う筈もない。」
風魔はふいと横を向いた。
「怠ける怠けないではない。誰だろうと、引く時は引く。」
むきになって言ったら、頭ががんと痛んだ。
「黙っておれと言うに、」
思わず顔を顰めた己を見て、風魔が呆れて言った。
今のは、喋るなと、
己は思わず口元を緩めた。
「何を笑っておる。」
「何でもない。」
己は目を細めて言った。
風魔は訝しんで己の顔を覗き込んだが、其の顔が、目を細めて見ると、まるで己の体を案じている様にも見えて、己は思わず喜んで言葉を続けた。
「風魔、粥でも」
「そんなもの、何処にあるのだ。」
風魔は、長い爪をぱちんと弾きながら言った。
「否、お前が」
「血迷い事を。気味の悪い。熱で頭が如何にかなったか、」
なんとも冷たく、可愛げのない。
己は其れきり黙ってしまった。
風魔は爪を弾いて遊んでいる。
ぱちん、ぱちんと、小気味良い音が響く。
「用がないなら出て行け。」
己は半ば捻た様に言った。
「染るからか、」
「そうだ。」
「我にも染るか、」
「染る。」
「我も風ぞ、」
「一字足りぬ。まるで違う。」
「魔も邪も、然程変わらぬだろう、」
風魔はそう言って、面白そうに己の顔を覗き込んだ。
風魔の手の平が、熱を持った頬に当てられる。
ひんやりと、気持ちが良かった。
「気が変わった、貰うてやる。」
風魔はくすくす笑って言った。
「我に染せ、半蔵、」
風魔の口付けが落ちた。
喉も鼻もきかない所に、風魔は強引に舌を滑り込ませる。
頭がぼうっと、火が灯った様に熱くなった。
苦しい、
風魔の体を、心持押し返す。
本当に染ってしまいそうだと思った。
途端に心配になった。
再び唇を寄せる風魔を、もう良い、と手で制すと、今度はつまらなそうに、其の唇を尖らせた。
「染っては、いかん。」
もっとも、風魔が風邪でも引こうものなら、己は必ず、粥ぐらいは作って看てやる気でいるのだが。
しかし言えば嬉しがって、言う事も聞かず染せ染せと言うに決まっている。
己は黙って、腹が減ったなどと頭の端で考えた。
「染れば治ると聞いた。」
「誰に、」
「忠勝に。」
「とんだ荒治療だ。」
呆れて言った。
風魔は笑っている。
「医者になれようか、」
「やめておけ。己にしか効かぬ。」
風魔は、其れで良い、と頷いて、くすりと笑った。
親父ギャグでしめましたよ。
拍手くださった方へ捧げます。
東京湾に生ゴミと一緒に捨ててください。
風邪心配してくださってありがとうございます!
私は親知らずの所為でしたが、半蔵のは多分、ほんとに風邪です。
にょたの看病!萌える!と思って書き始めたのですが・・・・これはひどいwww
ライトノベルのメモ書き程度に思ってください(;´∀`)
ありがとうございました!!
他にも拍手押してくださった方、ありがとうございます!
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